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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1431号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(要旨)

刑訴法第三〇一條は同條所定の證據とすることができる被告人の供述が自白である場合には犯罪事實に關する他の證據が取調べられた後でなければその取調を請求することができないと定めているが、そのいわゆる犯罪事實に關する他の證據が取調べられた後とは必ずしも犯罪事實に關する他のすべての證據が取調べられた後という意味ではなく、自白の補強となるべき何等かの證據が取調べられた後であればよいと解すべく、本件につきこれを見るに原審公判調書によれば同公判(第一回)において、初めに檢察官は同公判調書末尾の被告人に對する公訴事實立證書類一覽表掲記の(一)乃至(二〇)の各書類並に證據物によつて公訴事實及び情状に關する點を立證する。但し右各書類を證據とすることに被告人の同意が得られない場合は各書類の作成者又は供述者の證言により之を立證すると述べ、被告人が右各書類を證據とすることに同意したので檢察官は公訴事實の證據として右(一)乃至(一五)の 害者飯野しげに對する司法警察官の聽取書、同人の司法警察員並に檢察官に對する各供述調書、被害者伊藤登に對する司法警察官の聽取書、同一の司法警察員に對する供述調書申立書、岐津宗隆の司法警察員に對する供述調書その他關係人等に對する司法警察官の各聽取書同人等の各供述調書等並に證第一、二號情状に關する點の證據として右(一六)乃至(一八)前科調書身許調書等の各調書を請求し、次で弁讓人は更に本件各事實の被害状况を明確にするにめに飯野しげ、伊藤登外二名の證人取調べを求め原裁判所は双方の意見を聽いた上檢察官請求の右各書類、證據物全部の取調を許容してその取調を行い、弁護人請求の證人中飯野しげ、伊藤登等の取調を採用し次回公判に喚問してこれを行う旨を告げ次で檢察官から前記(一九)(二〇)の被告人の司法警察員並に檢察官に對する各供述調書の取調を求め被告人並に弁護人において右請求に異議なしと述べ原裁判所は同各供述調書の取調を施行し、かくて弁護人請求の右證人については次回(第二回)公判期間にその取調を行つたものであることを認め得るのである。從つて所論の右被告人の各供述調書の取調についてはその取調請求前において既に前述の如く公訴事實に關する(一)乃至(一五)の書類及び證據物の重要證據が取調べられたのであるから、これによつて犯罪事實に關する他の證據が取調べられた後にその取調が請求されてこれが取調を行つたものとなすに妨げないと解し得る。

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